疾患

Diseases

貧血

貧血について

貧血とは、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの量が不足している状態を指します。ヘモグロビンは全身の臓器や組織に酸素を運ぶ重要な役割を担っているため、貧血になると全身が酸欠状態に陥り、さまざまな身体の不調を引き起こします。最も一般的な原因は鉄分不足による鉄欠乏性貧血ですが、胃腸などの消化管からの出血や、背景に他の疾患が隠れていることも少なくありません。そのため、症状を放置せず早期に受診することが非常に重要です。

貧血の症状について

当院でよくご相談いただく症状は以下の通りです。その他に関しても気になる症状があれば、お気軽にご相談してください。

  • めまいがする・立ちくらみが頻繁に起きる
  • 動くと息切れがする・階段の上り下りがつらい
  • 頭痛がする・頭が重い
  • 胸がドキドキする・脈が飛ぶ(動悸・不整脈)
  • 顔や手足のむくみ(浮腫)が気になる

貧血の診断と検査について

血液検査

血液を採取し、赤血球の数やヘモグロビンの濃度を測定して、貧血の有無やその程度を正確に診断します。さらに、生活習慣病数値の測定も同時に行い、貧血を引き起こしている全身の背景疾患や栄養欠乏の状態がないかを詳しく確認します。

上部消化管内視鏡(鎮静剤使用、経口内視鏡、経鼻内視鏡)

胃潰瘍や十二指腸潰瘍など、消化管からの微量な出血が貧血の根本的な原因となっていないかを直接観察して確認します。当院では患者様のご負担をできる限り軽減するため、鎮静剤を使用した眠った状態での検査や、経口内視鏡、経鼻内視鏡から最適な方法を選択することが可能です。

尿検査

尿の中に目に見えない血液が混じっていないか、腎臓の機能に異常がないかを調べます。腎機能の低下によって造血ホルモンが不足することや、尿路からの出血も貧血の重要な要因となるため、スクリーニングとして欠かせない検査です。

エコー検査(腹部:肝、胆のう、膵臓、腎臓、膀胱)

超音波を用いて、腹部の臓器に異常がないかを確認します。肝機能障害や腎臓の疾患が貧血の原因となっているケースもあるため、肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、膀胱の状態を痛みなく詳細に調べ、隠れた疾患のリスクを評価します。

貧血の治療法について

薬物療法

貧血の原因に合わせてお薬を処方します。鉄欠乏性貧血の場合は鉄剤の内服により体内の鉄分を補い、胃腸の疾患が原因の場合は胃酸を抑える薬などを処方して根本治療を並行します。また、内服が難しい場合や早期改善が必要な場合には、鉄剤の点滴治療(フェインジェクト)による対応も可能です。一時的に症状が改善しても、体内の貯蔵鉄が十分に回復するまで自己判断で服用を中止せず、継続して治療を行うことが重要です。

生活習慣と食事の改善

お薬による治療に加えて、日常的な食生活の改善を指導します。鉄分を多く含むレバーや赤身肉、魚介類に加え、鉄分の吸収を助けるビタミンCを豊富に含む野菜や果物をバランスよく摂取することで、造血作用を促進し、貧血の改善と再発防止を図ります。

貧血の予防について

貧血を予防するためには、日頃から鉄分、良質なタンパク質、ビタミンB12、葉酸など、血液を作るために必要な栄養素を毎日の食事からバランスよく摂取することが不可欠です。また、十分な睡眠時間を確保し、適度な運動を取り入れて規則正しい生活を送ることで、全身の血流や代謝を良好に保ちましょう。健康診断などで貧血の数値を指摘された場合は、自覚症状がなくても早めに医療機関を受診することが、重症化を防ぐための最善の予防策となります。