疾患
Diseases肥満症
肥満症について
肥満症は、単に体重が重いということではなく、医学的な治療が必要な「病気」です。特にお腹周りにつく内臓脂肪は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を引き起こす大きな要因となり、全身の健康を損なう恐れがあります。一人で減量に取り組むのは非常に難しく、無理なダイエットは体に負担をかけることもあります。当院では医学的な根拠に基づき、無理のない範囲で健康管理をサポートいたします。健診結果が気になったら、前向きな一歩としてぜひ一度ご相談ください。
肥満症の症状について
BMI 25 以上で、健診の血糖・血圧・脂質・肝機能などに異常を指摘された方、「階段で息切れする」「むくみが気になる」とお悩みの方からのご相談を多くいただきます。肥満症は多くの生活習慣病の根本原因です。食事・運動指導から薬物療法まで、無理なく続けられる治療をご提案します。
- 健康診断で「肝機能の数値(γ-GTP等)が悪い」と言われた
- 健康診断で「コレステロール」「中性脂肪」が高いと指摘された
- 健康診断で「血糖値が高い」「HbA1cが高い」と指摘された
- 健康診断で「血圧が高い」と指摘された
- 動くと息切れがする・階段の上り下りがつらい
- 顔や手足のむくみ(浮腫)が気になる
肥満症の診断と検査について
血液検査:アレルギー、炎症反応、生活習慣病数値の測定
肥満に起因して引き起こされる耐糖能異常(血糖値・HbA1cの悪化)、脂質異常症(コレステロール・中性脂肪の増加)、および脂肪肝の反映である肝機能障害(ALT、AST、γ-GTPの上昇)の有無を網羅的に調べます。肥満症の確定診断における最も基本となる検査です。
エコー検査(腹部:肝、胆のう、膵臓、腎臓、膀胱)
内臓脂肪の過剰な蓄積による影響を最も直接的に受ける肝臓を超音波で観察し、代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)の有無や進行度を視覚的に精密評価します。また、肥満に伴いリスクが上昇する胆石症のスクリーニングにも極めて有用です。
睡眠時無呼吸検査
首周りや上気道への脂肪沈着は、睡眠時の気道閉塞を引き起こし、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の最大の原因となります。ご自宅で就寝中に専用のセンサーを装着していただき、睡眠中の低酸素状態や無呼吸の回数を正確に記録し、合併リスクを評価します。
尿検査
肥満症に高頻度で合併する糖尿病による尿糖の排泄や、肥満に伴う血圧上昇がもたらす腎臓への圧負荷を示す尿タンパクの有無を調べます。痛みや身体的負担が一切なく、全身の代謝異常や細小血管へのダメージを鋭敏に捉えるための優れた検査です。
心電図
過剰な体重は、全身へ血液を送り出す心臓に対して慢性的な容量負荷および圧負荷を与えます。心臓の筋肉がこれに適応しようと厚くなる心肥大の所見や、負荷に伴う心房細動などの不整脈が生じていないかを波形から確実に見抜きます。
肥満症の治療法について
生活習慣の改善
現在の総摂取カロリーを厳格に見直し、患者様の年齢や活動量に応じた適正なエネルギー量の食事療法を立案します。同時に、内臓脂肪の燃焼を効率的に促す有酸素運動を取り入れ、まずは現体重の3〜5%の減量を現実的な目標として設定し、リバウンドを防ぐ持続可能な行動変容を支援します。
薬物療法
食事療法や運動療法を一定期間十分に行っても十分な減量効果が得られない場合や、高度な肥満により健康障害のリスクが著しく高い患者様に導入を検討します。食欲中枢に働きかけ食欲を抑制するお薬や、糖・脂質の吸収を調整するお薬を慎重に処方し、医学的に減量を後押しします。
肥満症の予防について
肥満症の予防は、摂取エネルギーと消費エネルギーの長期的な均衡を保つことが全てです。1日3食を規則正しく摂取し、インスリンの過剰分泌を招く早食いや、脂肪が蓄積しやすい夜遅くの食事、無意識な間食を控えることが極めて重要です。また、特別なスポーツを行わずとも、日常生活の中で歩く距離を意図的に増やす、エレベーターではなく階段を積極的に利用するなど、身体活動量を底上げする工夫が効果を発揮します。毎日決まった時間に体重を測定し記録する習慣は、ご自身の体の変化に対する自己管理能力を高め、肥満の進行を未然に防ぎます。